薬剤師が海外で働く方法~カナダ・アメリカ・ドイツのケース

外国人薬剤師

日本人が海外で薬剤師として働きたい場合には、当然ですが日本の薬剤師免許だけでは一部アジアの国を除いて不可能です。海外にてその国の薬剤師国家試験を受験して合格しなければなりません。

語学力も必須ですから、大抵はTOEFLなどの規定スコアも必要になります。下記に各国でのケースをご紹介します。ちなみに他には、時間とお金はかかりますが現地の国の人と同じように4年制の薬科大学に入って薬剤師免許を取得する方法ももちろんあります。

また、単に海外での医療に触れたい場合には仕事内容が制限されるボランティアとして海外の活動に参加する道もあります。例えば「国境なき医師団」では海外派遣スタッフとして薬剤師も募集しています。

1、カナダのケース

・・・ここでは日本の薬剤師がカナダのブリティッシュコロンビア州で薬剤師免許を取得して働くまでのステップを下記にご紹介します。日本の薬剤師がカナダで薬剤師として働く場合には約半年間の実務プログラムの受講と下記2つの試験

  • カナダの薬剤師国家試験
  • 州が実施する法律の試験(Jurisprudence exam)

の両方に合格しなければなりません。ちなみにカナダの公用語は英語とフランス語ですが、ブリティッシュコロンビア州では英語が使われます。

  1. カナダ政府が支援するプログラム「薬剤師のゲートウェイカナダ(=Pharmacist’s Gateway Canada)」へ登録する。このプログラムがカナダでの薬剤師免許取得までの道のりをナビゲーションしてくれます。
  2. カナダ薬局審査委員会 (PEBC = The Pharmacy Examining Board of Canada)にて下記を受験する。
    • 書類審査(日本の薬剤師資格証明書、大卒・成績証明書等を英文で送付)
    • Evaluating Exam(2日間のマーク式試験)
  3. 州の薬剤師会(College of Pharmacists of British Columbia)へ仮登録する。各種証明書や働けるビザが有ることを確認します。
  4. ブリティッシュコロンビア大学のカナダ薬局実務プログラム(CP3 = Canadian Pharmacy Practice Program)を受講します。カナダ以外で薬剤師免許を取得した人がカナダで薬剤師として実務を行うためのプログラムで、3か月間の講義と500時間の薬局研修で構成されています。ただし受講にはTOEFL等の規定スコアが必要です。
  5. カナダ薬局審査委員会 (PEBC )が実施する薬剤師国家試験を受験します。試験はコンピューターベースの試験と口頭による実技試験の2部構成。
  6. 州の薬剤師会(College of Pharmacists of British Columbia)が実施する法律の試験(Jurisprudence exam)を受験します。
  7. 上記全てを終えると州の薬剤師会へ薬剤師として登録し、薬剤師免許が交付されます。

2、アメリカのケース

・・・日本の薬剤師がアメリカで薬剤師免許を取得して働く場合には、FPGEE(外国人向け薬学試験)を受験し合格してインターンシップを修了する方法が最も一般的で最短ルートですので下記にご紹介します。

Pharm.D.(=日本でいう大学院)に入学して薬剤師免許を取得する方法もありますが、この場合はやはり事前に通常のアメリカ4年制大学(短大からの編入も可)への入学・卒業が基本必要になり、時間もお金も掛かります。

試験は州ごとに行われるもので微妙に要件が違いますので、事前に州の試験情報などは調べておきましょう。

  1. 州にて日本の薬学教育等証明書などの書類審査を実施。
  2. FPGEE(外国人向け薬学試験※①)を受験する。
  3. TOEFL・TSE等で規定スコアをとる。
  4. 2に合格するとFPGEC(Foreign Pharmacy Graduate Examination Committee)という認定書が発行され、インターン免許を取得。
  5. 1000~1500時間ほど病院もしくは薬局でのインターンを行う。
  6. アメリカ薬剤師国家試験(NAPLEX)を受験し、合格すると薬剤師免許が交付されます。

※①・・・FPGEEは受験資格として「5年以上のカリキュラムを修了していること」があります。つまりは大学院を修了している必要があります。最終学歴が4年制大卒の方はまず母校の同学部大学院へ進学して残されたカリキュラムを修了することが必要です。

3、ドイツのケース

・・・ドイツは医薬分業の歴史が長い国であり、現在日本でも定着しつつあるこの医薬分業システムはドイツを模範としたものです。日本人が薬剤師免許を活かしてドイツで薬剤師として働くためには、簡単に言えばドイツ語の試験2つに合格した上で第1次~第3次薬剤師国家試験をクリアしてドイツの薬剤師免許を取得することです(のちに薬局研修も必要です)。下記詳細。

ちなみにドイツ人自身の薬剤師養成教育も、ドイツに22ある4年制大学(薬学部あり)にて卒後1年間の実務実習までを含めた5年の間に第1次~第3次薬剤師国家試験に合格して薬剤師の免許取得となります。

日本人薬剤師がドイツで薬剤師として働くには日本の薬剤師免許を所有した上で

  • ドイツ語検定B2
  • telc Deutsch B2・C1 Medizin技術言語試験(ドイツ語医学スペシャリスト言語試験)
  • 第1次~3次ドイツ薬剤師国家試験

上記全てに合格した上で、一定期間(半年)以上薬局での研修を行います。研修終了後に薬剤師免許が交付され、ようやく薬剤師として働くことができるようになります。

4、タイ・シンガポールなどのケース

・・・タイやシンガポールなど一部アジアの国では、日本の薬剤師免許のみでも薬剤師として働くことができる職場が多々あります。理由としてはタイやシンガポールには法人税の安さから日系企業も多く進出しており、日系の病院・クリニックも多くあるからです。

そうした職場では患者さんもやはり日本人が中心です。ゆえに現地の国の言葉ができなくとも不問としている求人もよくあります。タイに関しては日本に比べて物価がかなり安いですから、暮らしやすさの面でもおすすめです。

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